一般的な住宅の外壁に使われている塗料は、長くても10~15年ほどで塗り替えが推奨されています。
これは、塗料が持つ性能が年月が経つにつれ劣化してしまうためで、放置したままだと様々な問題がでてきてしまうので、その問題が出る前に家を守る意味も込めて塗り替えをしましょうと外壁メーカーがおすすめしています。
ですので、実際に必ず10~15年で塗り替えが必要かといわれると、絶対やらないとダメというわけではありません。
外壁の塗り替えは予防注射と同じような考え方だと思ってください。
放置してもすぐに問題が起きるわけではありませんが、実際に問題が起きてしまってからだと修理や費用が大規模になりがちです。
自宅をより良いコンディションで維持し、問題が起きるのを防ぐ意味で、適正年数での塗り替えが推奨されるというわけです。
外壁塗装を放置することで起きる深刻な問題4つ
- 防水機能の低下
- 外壁を守っていた塗料が劣化すると、防水機能が低下します。
防水機能とは、外壁を雨や湿気から守る機能のことで、この防水機能が低下することで外壁内部に雨水や湿気が侵入するようになります。
また、外壁自体にヒビが入りやすくなり、そのヒビからまた雨水が浸入し、その雨水のせいで余計ヒビが入りやすくなるというスパイラルに陥ります。 - 外壁内部の劣化
- そして外壁に染み込んだ水はじわじわと外壁の下地を傷めていき、下地を腐らせたり雨漏りを起こす原因となります。
外壁の下地が腐り雨漏りを起こすようになった家は、もう簡単な修理では直りません。
家の外壁を剥がし、下地や構造を取り替えるという大規模な工事が必要になります。
そうなると百万単位の修繕費がかかることになります。 - 家の傾き
- 染み込んだ水によって家を支えている木材にまで腐食が進行すると、家が傾く恐れもでてきます。
傾きによって家の様々な場所に隙間ができ、その隙間が家の断熱性を低下させる原因になります。
夏はいくら冷房をかけてもなかなか部屋が冷えず、冬は暖房をいくらたいてもなかなか暖まらないという、光熱費を無駄に使うだけの家になっていってしまうのです。 - コンクリートの強度低下
- 塗料が薄れたり外壁に起こるヒビ割れなどによって、外壁に使われているコンクリート成分が空気にさらされる面積が大きくなります。
そうすると、コンクリートに含まれる水酸化カルシウムが空気中の二酸化炭素に反応し、炭酸カルシウムを生成してしまい、同時にpHを失うことによってアルカリ性から酸性へ傾いてしまいます。
コンクリートがアルカリを失うことをコンクリートの中性化といい、コンクリート劣化の大きな原因のひとつとなります。
これにより外壁の強度が低下し、ボロボロと崩れてくる恐れがあります。