屋根塗装の必要性

屋根は、雨や風や直射日光などからあなたや建物を守っています。
外壁も同じ役割を果たしていますが、屋根ほど自然の影響に晒されてはいません。
ですので屋根は、住宅の中で給排水設備と並んで、最も早く傷みや劣化が始まる箇所と言って良いでしょう。
では、あなたの家の屋根は、今どのような状態なのでしょうか。

塗装をする前にちょっと待って!

屋根の専門は塗装業者ではありません

木造住宅の新築で屋根の下地を作るのは大工さん、屋根材を施行するのは板金職人または瓦職人です。
ここに塗装業者はいません。
なぜなら新築時の屋根材には塗装を施してあるものを使用するからです。

化粧スレートが一般的ではなかった時代の屋根は、大半がカラー鉄板もしくは和瓦でしたので、その流れから平板化粧スレートを張るのは板金業者が主になっています。
もっとも最近では屋根材の種類が増えているので、あらゆる屋根材を施行する業者もいることから、総称で屋根業者と呼んでいる場合もあります。

雨漏りを調べたり補修するのは屋根業者です。
塗装は、あくまでも屋根材の性能を維持するためですので、経年している屋根の場合なら状態を専門家に見てもらいましょう。
専門家とは屋根業者もしくは建築士・施工管理士で、同時に塗装業者に塗膜状態を確認してもらうのが最適です。

屋根材の寿命を延ばすために

屋根塗装をする理由とは

塗膜」とは乾燥後の塗料が硬化することによってできる膜のことです。
実はこの膜が重要で、雨水や紫外線から屋根材を守ってくれるのです。
しかし経年すれば、どんな塗膜でも薄くなったり剥がれたりするのは避けられません。

化粧スレートや厚形スレートでは、塗膜の剥がれや劣化があると雨水を弾かなくなり、放置すれば水分の浸み込みで屋根材がもろくなってきます。
そのような状態になると、台風などの強風で剥がれることもあります。

金属系屋根材の最大の敵は錆です。
これらも経年劣化で塗膜効果が薄れてくると発生しやすくなり、放置する発生箇所からの雨水の侵入やもろくなって剥がれやすくなります。

スレート系であれ金属系であれ、基本的にはこれらの症状が出る前に塗装をすることが屋根材の寿命を延ばす最大の要因になります。

どんな屋根材を使用していますか?

塗装を必要とする屋根材とは

塗装を必要とする屋根材は、化粧スレート・ガリバリウム鋼板とカラー鉄板・セメント瓦そしてアスファルトシングルです。

化粧スレートとセメント瓦の成分には防水性がないので、浸み込みを防ぐための塗膜が必要になります。
出荷時には塗装を施してありますが、自然に晒されるわけですから劣化するのは当然です。

粘土系瓦でも色あせやひび割れ等の劣化は生じます。
基本的には塗装の必要はないのですが、現在ではひび割れ防止のプライマーや、美観を保つための専用塗料もあります。

化粧スレート・金属系・アスファルトシングルの塗装時期は、だいたい10年~15年が目安になりますが、劣化状況によっては早まることがあります。
セメント瓦の場合は厚い形状ということもあり、生成時に十分に塗ることから15年~20年が目安になります。
基本的に、和瓦・銅板・天然スレート以外は塗装が必要だと考えてください。

我が家の屋根はどんな屋根?

基本的に和瓦・銅板・天然スレート以外は塗装が必要だと考えてください

屋根材にはスレート系・金属系・セメント系・粘土系の4種類があります。

スレート系
天然と化粧に分かれ、セメントに繊維素材を混ぜて薄い板状にした平板化粧スレートが主で、一般的にはコロニアル・カラーベストと呼ばれており、現在では最も多く使用されている屋根材です。
金属系
ガリバリウム鋼板とカラー鉄板があり、近年ではガリバリウム鋼板が主流で、銅板を住宅に使用するのは稀になっています。
セメント系
砂とセメントから作られたもので、厚形スレートとコンクリート瓦があり、その違いはセメント量です。
コンクリート瓦は一般的にはモニエル瓦と呼ばれ、洋式瓦の代表的なものです。
粘土系
日本瓦が一般的で、粘土を焼いて作られたものです。
色付けのために釉薬(うわくすり)を使って焼いているものと釉薬を使用しないものがあります(素焼き)

他にはフェルトにアスファルトを浸透させた、アスファルトシングルという屋根材があります。

屋根の知識を得ましょう

一口に屋根と言ってもいろいろあります

屋根からの雨漏りを防いでいる最大の功労者は屋根勾配です。
屋根勾配とは傾斜角度のことで、角度があれば勾配が高いなどと表現されます。
要するに引力の法則で角度が高ければ雨水は下に流れてゆきます。
その理屈は雪でも同じで、例としては飛騨高山の世界遺産にもなった家々を思い浮かべてください。

勾配が高ければ多少屋根材が劣化しても直ぐに雨漏りはしません。
しかし経年とは恐ろしいもので、どんな勾配であっても雨水は必ず浸み込んできます。
まさしく自然の為せる技と言って良いでしょう。

屋根の形状ですが、戸建て住宅で一般的なものとしては切妻・寄棟・片流れ・方形が主になり、中でも切妻・寄棟が大半を占めます。
他にも色々とあるので興味のある方は「屋根の形状」で検索してみてください。
色んな写真が出てきますよ。

屋根塗装をする最大の目的は屋根の寿命を延ばすことです。
もちろん実施しなければならないのは塗装だけではありませんが、塗装の必要な屋根材を使用しているのなら、まずは塗装をすることがその第一歩と考えてください。