塗料の日光反射率って何?をわかりやすく解説

塗料によって全然違う?!塗料の日光反射率

塗料には色によって日光反射率がだいたい決まっています。反射率が高いほど、太陽光などによる熱を反射することができますので、塗料を塗った表面温度が上がりにくくなり、室内への熱の侵入量も減らすことができます。

たとえば夏場日光が当たる場所の白い壁は触ってもあまり熱くなりませんが、黒い壁は触るととても熱くなっています。これは白色の日光反射率が高く、黒色の日光反射率が低いことが原因です。

白と黒の反射率は半分くらい差があり、夏場の白い塗料が塗られた壁で40℃ほどの表面温度になるのに対し、黒い塗料が塗られた壁だと表面温度が70~80℃にもなる場合もあります。
そのため、夏の暑さに弱い方はなるべく家の外壁の色を白かそれに準じた薄い色にするのがおすすめです。

色ごとの日光反射率。表みれば差が一目瞭然

大手塗料メーカーである日本ペイント社が発表した塗料の色ごとの日光反射率の一部をご紹介します。
塗料色 日光反射率 どんな色
クールホワイト 91.00%  白
クールパールライト 75.90% シルバー
クールベビーブルー 70.40% 水色
クールベビーリーフ 69.80% パステルグリーン
クールクリーム 67.00% クリーム
クールライトグリーン 62.30% グリーン
クールチェリーブラウン 61.80% 肌色
クールビスケットブラウン 57.20% ベージュ
クールライトグレー 54.00% グレー
クールライトブラウン 53.80% オレンジ
クールアルドワーズブルー 45.80% 薄い藍色
クールローズブラウン 43.90% 茶色
クールサファイアブルー 40.70% 紺色
クールネオスカイブルー 36.80%
クールグリーン 32.70%
クールコーヒーブラウン 31.10% こげ茶色
クールブラック 28.40%

それでも好きな色を塗りたい!そんなときは遮熱塗料を選ぼう!

日光反射率が高い色を塗ったほうがいいのはわかるけど、それでも自分の家なんだから好きな色の外壁にしたい!と思う方が多いでしょう。
そんな方には遮熱塗料がおすすめです。
遮熱塗料は太陽光に含まれる近赤外線領域の光の反射特性を技術的に制御したもので、簡単にいうと塗料の中に熱の伝わりを抑える効果のある遮熱セラミックなどを配合しているもので、外壁に熱が吸収されてしまうのを防いでくれる塗料なのです。

しかし、あくまでも配合された特殊な添加物によって熱の伝わりを抑えるというものなので、色自体による反射率については一般的な塗料も遮熱塗料もあまり違いがありません。
一般的な塗料の白と、遮熱塗料の白をそれぞれ塗ったとしてもあまり差がないということです。
一般的な塗料の黒と遮熱塗料の黒を塗るのであれば、遮熱塗料のほうが表面温度が低くなります。

しかし、温度軽減効果は色による影響が一番高いので、一般的な塗料の白と遮熱塗料の黒を比べると、やはり一般的な白の塗料を塗った方が表面温度の上昇は防げるという結果になります。
ただし、遮熱塗料には外壁表面に吸収された熱が室内に伝わりにくくする効果があるため、同じ色の塗料を塗った場合でも、室内の温度上昇軽減面で考えると遮熱塗料のほうが効果的になります。
遮熱塗料の特性をよく理解したうえで塗料の選択肢のひとつとして考えてみると良いでしょう。

遮熱塗料は一般的な塗料と比べると価格は決して安い部類とはいえませんが、最近は塗料メーカーの研究改良により以前よりも価格が下降傾向になります。
太陽光がよく当たる部分や屋根部分だけ遮熱塗料にして、それ以外の壁は似た色の一般的な塗料を使うといった工夫で、出来る限り費用は抑えつつ効果を得ることもできます。
塗料の場所ごとの使い分けは業者によって可能不可能がありますので、事前に相談してみることをおすすめします。