アクリル塗料

アクリル塗料とは

アクリル塗料は、アクリル樹脂塗料とも呼ばれる塗料の主成分がアクリル系合成樹脂の塗料をいいます。
自動車や金属製品、家電製品などの塗料としてよく使われています。
加熱することで化学反応を起こし塗膜が形成される「熱硬化型」と、溶剤が蒸発する過程で塗膜が形成される「揮発乾燥型(アクリルラッカー)」の2種類があり、揮発乾燥型の塗料は、溶剤に樹脂を溶かした溶剤系と、樹脂の微細な粒を水に分散させた水溶系とに分けられます。

アクリル塗料は塗料の中では最も安価で施工性に優れていますが、耐候年数は約6~8年ほどと短く、こまめなメンテナンスを必要とします。
また、他の塗料と比べて湿度を通す性質をあらわす透湿性が高めなのも特徴です。
耐候年数の短さや透湿性の高さから近年の外壁塗装の塗り替えにはあまり使用されなくなってきましたが、アクリル塗料の特性を生かした場所への塗装に利用されています。

アクリル塗料のメリット

アクリル塗料のメリットは、その価格と施工性の高さです。
塗料の中では最も価格が低く、軽量であり強度もあります。

アクリル塗料は透明度が高いため、素材の色を鮮やかにはっきりと見せてくれる効果もありますので、建物の外観をより美しく仕上げることができます。

安価で経済的なので、新築建売住宅の価格を少しでも低く抑えるために塗装されることも多く、気候の影響を受けにくい内装に利用したり、短期間に塗り直しが可能な面から、店舗のディスプレイ塗装として利用するといった方法もあります。

また、透湿性が高いため、他の塗料では膨れたり剥がれてしまうことが多い湿気の多い場所や湿気の溜まりやすい場所への塗装にもよく利用されています。

アクリル塗料のデメリット

アクリル塗料のデメリットは、耐候年数の短さです。
他の塗料と比べてもアクリル塗料での塗装は耐候年数が10年に満たないと言われています。
耐水性や耐候性も高いのですが、塗装後の時間経過と共に性能が劣化しやすくなります。

気候によりますが約6~8年ほど経つとアクリル塗料の持つ耐久性はほぼなくなってしまうと考えられており、塗料の性能を維持するためには数年ごとにこまめに塗り直しをする必要があります。

外壁の塗装をするには、塗料の費用だけでなく職人の人件費や足場を組む費用なども必要になってくるため、塗料費用を安く抑えて塗り直しの回数を多くするか、塗料を性能の良いものにする代わりに塗り直しの回数を少なくするか、しっかりと考えてから行いましょう。

アクリル塗料はこんな方にオススメ

塗り直し費用を抑えたい

外壁の塗装は必要だけれど、なるべく費用をかけたくない方や、取り急ぎ当面の間だけでもしのげればいいといった理由で費用を抑えたいという方は、塗料の中で最も安価なアクリル塗料が向いています。

気軽に外壁塗装をしたい

ちょっとしたプチリフォームや家の印象をガラリと変えたいといった気軽な外壁塗装にも安価で挑戦しやすいため、アクリル塗装は向いています。

外壁の素材の色を大事にしたい

ちょっとこだわって選んだ外壁材の色も、アクリル塗料ならより鮮やかにくっきりと見せてくれます。

代表的なアクリル塗料

  • ニュートップレスクリーン(エスケー化研)
  • セラミクリーン(エスケー化研)
  • DANシリコンセラ(日本ペイント)
  • DANフレッシュ(日本ペイント)
  • アレスアクアビルド(関西ペイント)

アクリル塗料の塗装費用

アクリル塗装1㎡当たり平均単価:1,000~3,500円(商品によって異なります)
例)30坪の住宅(外壁面積150㎡)の場合
外壁面積(150㎡)×1㎡当たり単価(1,000~3,500円)=150,000円~525,000円となります。
※別途足場等の経費が必要となります。