まずは地域の特性を知る

地域に合った塗料を選ぶ

外壁の塗り替えに使われる塗料には、性質などに違いがあります。
自宅に合った塗料はどんなものかを知るためには、まずは自宅がある土地を知ることから始めましょう。
海沿い、山沿い、工場地帯、新幹線の線路や大きな幹線道路の近くなど、立地は様々です。
その地域ならではの良いところや悪いところがあると思いますが、まずは今住んでいる土地特有の問題点を挙げてみてください。
たとえば、
海沿い
潮の香りが強いため、車や洗濯物に潮がつくことがある
山沿い
山が近いため虫が多い、鳥がよく飛んでいるため鳥のフンがつきやすい
工場地帯
工場からの煙や臭いを感じることがある、洗濯物が汚れていることがある
線路や道路近く
日々細かな振動を感じる、電車や車の音がうるさい
全ての地域がこうというわけではありませんが、「そういえば確かにそうだ」と思える問題点が思い浮かびませんか?
あたりまえになりすぎて鈍感になってしまいがちですが、改めて考えてみると、その土地ならではの問題点や気になる点がなにかしらあるという方は、それを参考に塗料を選ぶという方法があります。

塗料ごとの特性を知る

その土地のことを知ったあとは、実際にどんな塗料を選択すればいいのかを知りましょう。
塗料は単に色が違うだけではなく、雨や太陽光の力で着いた汚れを分解し洗い流す自浄機能を持つものや、湿気を通して建物内に湿度がこもりすぎないようにするもの、太陽の光を反射し建物が太陽熱で熱くならないようにしてくれるもの、カビや菌が付着し辛いもの、伸縮性に優れているものなど、実に様々です。
ですが、しっかりとその特性を理解しないまま「高い塗料だから良いものなんだろう」と安易に考えて選ぶだけでは、塗料が本来持っているパフォーマンスを活かしきれない恐れがあります。
せっかく高い費用をかけて塗り替えるのですから、費用対効果を期待できる塗料を選ばなければもったいないと思いませんか。

お金が許すなら平米あたりの単価が高い塗料を選べば間違いないと思われがちですが、実は性能が高い塗料にはメリットしかないわけではありません。
塗料に合った環境でないなら、メリット面が活かせずデメリット面しかでてこないことも考えられます。
高いお金をかけて塗り替えをした後に初めてそれを知っても遅いのですから、全てを業者任せにするのではなく、自分でも知識を持っておきましょう。

海沿いに適した塗料

海沿いの土地に合うのは、防水性がある塗料というのが第一です。
また、意外と風が強い場所が多いため、ほこりや汚れが着きやすいことから防汚性があるものも良いでしょう。
風向きによっては常に潮を含んだ風が流れてくるため、湿気が多くなりがちな場所は防カビ用添加物が含まれているものもおすすめです。
海辺近くで直射日光を遮るものが少ない場所では遮熱塗料なども有効です。
基本的に海沿いの土地はどんな塗料でもよく合います。
ただし、潮風の影響で塗膜の劣化が早まる恐れはありますので、定期的なチェックは欠かせません。
ウレタン塗料シリコン塗料フッ素塗料ピュアアクリル塗料遮熱塗料・光触媒塗料】

山沿いに適した塗料

山沿いの土地は、どちらかというと防汚性を重視した塗料がおすすめです。
山沿いでは風に乗ってほこりや木の葉、虫や鳥などが飛んでくるため、何かと汚れがつきやすくなります。
塗膜に親水性がある塗料を選べばより外壁を綺麗に保つことができるようになります。
遮熱塗料は、遮熱効果は期待できるものの、防汚性が低いためあまりおすすめできません。
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工場地帯に適した塗料

工場地帯が近い場所では、主に防汚性に優れた塗料を選びましょう。
工場からでる煙や排気は長い年月をかけてゆっくりと外壁に溜まっていきます。
そのためそもそも汚れがつきにくくするか、親水性を持ち、汚れがついても雨水で洗い流せるような性能をもった塗料がおすすめです。
無機物系の汚れが多いため、光触媒のような有機物を分解する塗料は費用対効果が薄くなります。
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線路や道路近くに適した塗料

新幹線の線路や幹線道路のような大き目の道路が近い場所では、体に感じるものから感じないものまで定期的に細かな振動が伝わっています。
土地自体に振動が伝わっているため、硬い外壁や塗膜ですと年月をかけて繰り返された細かな振動のせいでヒビなどが入ることがあります。
このような土地には塗膜がやわらかく柔軟性のある塗料を選ぶと良いでしょう。
フッ素塗料は性能は良いのですが、塗膜が硬くヒビが入りやすくなりますのでおすすめしません。
また、無機物系の汚れが多くなりがちなので光触媒塗料も費用対効果が薄くなります。
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