粘板岩を薄い板状に加工した屋根材

スレート瓦

スレートとは、粘板岩を薄い板状に加工したものをいい、屋根の仕上げ材や外壁材などで使用されています。
スレートには、粘板岩を素材とした「天然スレート」、セメントと石綿(アスベスト)を高温高圧で養生、成形した「石綿スレート」があり、石綿スレートは近年では環境問題面から、現在では石綿の代わりに人工繊維などを使用したスレートが製造されています。
天然スレートは重厚感があり、見た目が美しいのが特徴ですが、衝撃に弱いため耐震性が低く、最近はあまり使用されていません。
石綿スレートは、薄型化粧スレートとも呼ばれ、こちらは軽量なため耐震性が高く、安価で選べる色が多いため、一般住宅で多く使用されていました。
近年では、優秀な屋根材が開発されたことにより、スレート瓦を選択する方が減少したことに伴い、日本瓦型のスレート材はほとんど製造されなくなっています。
こちらでは石綿スレート瓦(薄型化粧スレート)についてご紹介します。

スレート瓦のメリット

耐震性が高い

一般的な陶器瓦と比べて、スレート瓦の重量は半分以下の重さです。
そのため建物の構造に負担をかけずに済むため、耐震性は高くなっています。

選べる色が豊富

スレート瓦は表面に塗料で塗装を施すので、豊富な塗料から色を選べるのが魅力です。

メンテナンス費用が安い

スレート瓦は屋根に取り付ける構造が単純なため、修理に手間や時間があまりかかりません。
そのため、定期的なメンテナンス費用を抑えたいのであれば、後々の費用があまり掛からないスレートを選択するのもひとつの方法です。

スレート瓦のデメリット

耐久性はあまり高くない

定期的なメンテナンスをしていても、スレートの平均的な寿命な30~50年ほどといわれています。
それ以上は屋根を葺き替えてスレート自体を取り替える必要があります。
きちんとメンテナンスを行わないと、寿命は更に短くなることもあります。

定期的な塗装が必須

スレート屋根は表面に塗装された塗料によって保護され、防水や防汚などの機能がつきます。
塗料がハゲると屋根材の劣化に繋がってしまいますので、定期的に塗料を塗り替えて、屋根を保護し続ける必要があります。

スレート瓦のメンテナンスの目安

塗料の褪色、剥離

スレート屋根は、塗料によって表面が保護され、雨や風などから建物の構造を守っています。
そのため、塗料の色があせてきたり、塗料が剥がれてきたら早めにメンテナンスをする必要があります。

板金部分の劣化

スレート屋根材を屋根に固定しておくための釘や棟板金が雨などで腐食し、錆びて抜けてしまったり、浮いて来たりすることがあります。
放置しておくと屋根材が強風で剥がれるなどの危険がありますので、見つけたら早めにメンテナンスをしなければなりません。

スレート瓦のリフォーム

剥がれかけた塗料があるとき

スレート瓦についた古い塗膜や汚れなどを高圧洗浄で洗い流したあとに新たに塗料を塗り直します。
ただし、古い塗膜は高圧洗浄だけでは取りきれないため、そのまま上から塗り直しても塗料の浮きや剥がれの原因となります。
そのような部分は手作業でケレン(錆びや古い塗料を除去すること)を行います。

板金部分の劣化があるとき

錆びて痛んだ部分は取り替え、抜けかけた釘はきちんと固定しなおします。
特に釘を打った場所は雨水が侵入しやすくなりますので、釘頭部分にシーリング剤などを充填し、保護します。

縁切りが不十分なとき

塗料を塗ったあとに、瓦と瓦の間に塗料が詰まり、瓦内部に入り込んだ雨水などが排出できなくなると屋根の下地が腐食してしまうことがあります。
この瓦同士の塗料をしっかりと切り離すことを縁切りといいます。
この縁切りをしっかりと行ってくれる業者を選びましょう。