左官職人が手作業で仕上げる

モルタル外壁

コンクリートと似ているため間違えられやすいのですが、モルタルはセメントもしくは石灰に砂を混ぜて水で練ったものです。
コンクリートは砂とセメント、砂利を混ぜて水で練ったものなので、構造が異なります。
モルタルは砂建物の外壁材としてだけでなく、レンガやブロックなどの目地、コンクリートの表面の仕上げ材としても使用されています。
どんな形状の場所でも適合することができるため、日本の住宅では昔から一般的な外壁材として使われてきました。
しかし、モルタル外壁は左官職人が手作業で行わなければいけないため手間と時間がかかり、近年の左官職人減少やサイディングなどの施工しやすい外壁材が人気になるに伴い施工数も減りつつあります。

モルタル外壁のメリット

メンテナンス費用が少ない

モルタルはメンテナンスにかかる費用がかなり安価で済むため、ひび割れなどが起こった場合に気軽にメンテナンスを行うことができます。
メンテナンスが必要となる目安が短めですが、かかる費用が少なく済むため、大金をかけることなく常に建物を綺麗な状態で保つことができるともいえます。

自由度の高い外壁デザインができる

決まった形のパネルやレンガなどを張りつけるわけではないため、施工主様の好みに合わせてどのようにでも自由に形成できるのが利点です。
曲面の外壁などでも施工可能なのはモルタルならではの特徴といえます。
また、手作業での塗りつけにより味わい深い質感の良い外壁に仕上げることができます。

継ぎ目がない

モルタルはサイディングのようにパネルを張りつけるのではなく、職人が直接塗りつけている施工方法なため、外壁に継ぎ目が存在しません。
継ぎ目があると、目地の劣化などにより雨水が継ぎ目から外壁内に浸水しカビや劣化の原因のひとつとなることがありますが、モルタルの場合はそのような心配がありません。

モルタル外壁のデメリット

クラック(ひび割れ)が入りやすい

モルタルは、その性質上クラックは必ず入るものだと言ってもいいほどです。
しかし、建物の寿命に影響するような重大なものではなく、多くは構造や耐水性などには問題のない程度の表面的なクラックばかりなので、メンテナンスですぐに修復することができます。

施工費用が高め

サイディングなどのパネル式の外壁と違い、モルタルはひとつひとつの建物が左官職人の手作業で施工されます。
そのため最初の施工費用は時間と手間がかかることを考慮して高めになっています。
ただし、施工後のメンテナンスにかかる費用は安価なので、維持費用は低いといえます。

モルタル外壁のメンテナンスの目安

外壁材の中でも、モルタルは10年程度を目安にこまめにメンテナンスを必要とします。
メンテナンス時期は短めですが、かかる費用は少ないので気になる場所はこまめに修復することで常に美しい状態を維持することができます。
モルタル外壁のメンテナンス時期の目安になる症状をご紹介します。

チョーキング

チョーキングは、塗膜が劣化し粉のようになった現象です。
外壁の表面を手で触るとチョークのような白い粉が付いたらチョーキング現象が起こっている証拠です。
塗膜の劣化で防水機能が低下していることを意味しているので塗り直しの目安となります。

クラック(ひび割れ)

モルタルはほぼ必ずクラックが起こります。
大抵の場合は表面のもので構造などに影響するわけではありませんが、クラックの隙間から雨水が浸水する恐れがありますので、クラックを見つけたらこまめにメンテナンスを行うことをおすすめします。

カビ、苔の発生

モルタル外壁にカビや苔が発生していたら、塗膜の防水性が劣化している証拠です。
段あまり見ない部分の壁も年に一度くらいは点検するようにしましょう。

モルタル外壁のリフォーム

カビや苔、汚れなどが目立つとき

カビや苔、汚れが付いていると塗料が剥がれる原因となりますので、まずはそれらの汚れを綺麗に掃除してから塗り直しを行います。
屋根や外壁の掃除には高圧洗浄機を使います。

深いクラックがあるとき

クラックが深い場合は、シーリングやエポキシを注入しクラックを埋めてから塗料を塗ります。
その際、クラックが構造に問題を起こしていないかなども併せて点検を行います。