JIS認証を取得した厳しい品質管理のもとで生産される

ALCパネル外壁

ALCパネル(日本語名「計量気泡コンクリートパネル)とは、ALC外壁材を板状にしたものをいいます。
ALCはAutoclaved Lightweight Concrete(高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート)の略です。
珪石、セメント、生石灰、発泡剤としてアルミ粉末を主原料にしています。
ACLパネルには「厚型パネル」「薄型パネル」の2種類があり、厚型パネルは金網状の鉄筋が補強材として組み込まれており、主に鉄筋コンクリートの建物に使われます。
薄型パネルはスチール金網が補強材として組み込まれており、主に木造建築や鉄骨建築に使われています。
非常に厳しい品質管理のもとで生産されており、JIS認証を取得しています。
日本では「旭化成建材」「住友金属鉱山シポレックス」「クリオン」の3社でのみ製造されています。

ALCパネル外壁のメリット

基本的な強度が高い

パネル内部に補強材が組み込まれているため、サイディングよりも強度が高いです。
また、断熱性、耐火性も高いので耐火建築物の外壁として多く採用されています。
通常の薄型パネルを外壁に使用した場合、30分以上の耐火性能が認定されており、外壁表面が火に晒されても内側が引火危険温度まで上昇することがほとんどありません。

耐震性が高い

普通のコンクリートと比べて重量が約1/4の軽さです。基礎などの構造の負担を減らし、耐震性を上げてくれます。

遮音性が高い

住宅用防音サッシ以上の遮音性をもっているため、建物周辺の音を気にすることもなくなります。
また、趣味で楽器を演奏しており、近隣に配慮したいと希望される方にもおすすめです。

シックハウス症候群対策

シックハウス症候群の原因となる有機化合物やアスベストは一切含まれていないため、アレルギーをお持ちの方や敏感体質の方にもおすすめです。

ALCパネル外壁のデメリット

吸水性が高いのできちんとした塗装が必須

ALCパネルは水分を吸いやすいため外壁に使用すると雨水で濡れてもすぐに乾いてくれますが、しっかりと塗料で防水性を持たせておかないと外壁内部に雨水などが侵入しやすくなり、建物の劣化につながります。

定期的な塗料塗り替え必須

ALCパネルはしっかりと塗膜で保護されていないと、その高い吸水性が仇となり余計な水分を吸収してしまうため、外壁内部が劣化してしまうことがあります。
防水性能を持つ塗料を定期的に塗装し、しっかりと塗膜を張ってあげる必要があります。

業者選びが重要

ALCパネルはしっかりとした製品知識を持っている業者に頼んで施工しないと、本来高品質であるはずの性能を充分に発揮できなかったり、メンテナンスに大変な思いをすることになります。

ALCパネル外壁のメンテナンス

ひび割れ

ALCパネルはコンクリート等と同じくひび割れが起こることがあります。
ALCパネルは非常に吸水性が高い素材なので、ひび割れが起きるとその部分から雨水が入り込み、外壁内部に補強剤として入れられている鉄製の金網を錆びさせる原因となります。
錆びた鉄は膨張する性質がありますので、その膨張する力がパネルを内部から割られてしまう爆裂と呼ばれる現象が起こることがあります。
この爆裂が起きたパネルは、場合によってはパネルを丸ごと交換しなければいけなくなり、メンテナンス費用がかかってしまいます。

膨れ

主に太陽光がよく当たる部分などには蓄熱水蒸気膨れという、断熱性能が高い外壁材であるが故に、太陽光によって暖められた外壁や塗料に含まれる水分が水蒸気になって内側から膨らんでしまう現象が起きることがあります。
外壁表面がボコボコと膨らんでいるため見た目も良くありません。

チョーキング

外壁を触ると、手にチョークのような白い粉がつくチョーキング現象は、外壁塗料の劣化のサインです。
ALCパネルは特に塗料による塗膜が重要な外壁材なので、チョーキング現象が確認できたらなるべく早めに塗料の塗り直しを行うことをおすすめします。

コーキング(目地)の劣化

APCパネルはパネル同士を弾力性のあるコーキング剤で繋げて施工してあります。
そのため、目地が劣化するとその隙間から雨水等が浸水してしまうことにもなりかねません。
また、目地には地震等の振動を吸収し、パネル同士が接触して破損しないようにする役割もありますので、目地の劣化はパネル自体の破損を招くことにもなります。

ALCパネル外壁のリフォーム

膨れを起こさない為に

ALCパネルに起きる膨れは、外壁や塗料に含まれる水分が太陽光によって暖められ水蒸気となって起きるものです。 この水蒸気を逃がしてあげることで膨れを防ぐことができます。 そのためには、外壁に湿気を逃がすことができる透湿性を持つ塗料を塗る、太陽光が外壁の温度を上げてしまわないよう遮熱性の高い塗料を塗るといった方法があります。

目地が劣化しているとき

目地の劣化はパネル自体の破損を防ぐためにも早めに修繕するほうが良いでしょう。 目地のリフォームは、劣化した目地を取り除き、コーキング材(目地)をしっかり密着させる溶剤を塗った上でコーキング剤を載せ、しっかりと押さえて仕上げます。