外壁材をよく知り、外壁材に合う塗料選びが建物の寿命を決める

外壁材について

建物の外側を守る外壁材にはいくつかの種類があります。
それぞれに特徴やメリットとデメリットがあり、費用やメンテナンスの手間なども様々です。
住宅の印象を決める大切な部分でもありますから、見た目ももちろん重視したいところですが、太陽からの紫外線や風雨、汚れなどを受ける場所でもありますので、その土地に合った外壁材を選ぶというのもとても重要です。

そして外壁材だけではなく、外壁材を保護する役割のある外壁塗料があって初めて建物を守ることができるのです。
外壁材そのままの状態では、強い紫外線や外気に含まれて付着する汚れなどの影響を直に受けてしまい、外壁材が色あせたり壁に付着した汚れやカビ、苔などで汚くなる原因となります。
また、外壁材そのものの寿命にも大きく影響することになります。

外壁材に合った外壁塗料でしっかりと塗膜を張ることで、外壁材を保護し建物をより良い状態で保つことができるようになりますし、塗料が持つ機能により汚れがつきにくくなったりひび割れを追従して外壁内に雨水が染み込むのを防いでくれたりといった効果も期待できます。
その建物にはどのような外壁材が使われており、どんな塗料が塗装されているかは建物の寿命やメンテナンス費用などにも大きく影響します。
こちらでは、そんな外壁材ごとの特徴などをご紹介していきます。

日本の建造物で昔から使用されてきた外壁材

板張り

板張り外壁は、日本の建造物で昔から使用されてきた外壁材です。
多くは国産の杉やヒノキ、松などが使用されています。
年月が経つごとに段々と深まっていく色合いは人工的に作れるものではなく、天然素材だからこそできる最大の魅力です。しっかりと防腐耐水処理を施された板張り外壁は耐久性が高く、メンテナンス次第では50年を耐えるともいわれています。
外壁には主に木の板を横に張る「下見板張り」と縦に長い板を並べる「竪(たて)板張り」と呼ばれる2つの工法があります。
下見板張りは主に日本のお城で使われていた工法で、雨水などが下地や漆喰に侵入してこないよう保護してくれる効果があります。
竪板張りもお城で使われていた工法で、縦に長い板を並べて貼り付けて、継ぎ目を浅木で押さえます。
板同士が重ならないよう隙間なくぴったりと羽目合わせるため、羽目板張りとも呼ばれます。

JIS認証を取得した厳しい品質管理のもとで生産される

ALCパネル外壁

ALCパネル(日本語名「計量気泡コンクリートパネル)とは、ALC外壁材を板状にしたものをいいます。
ALCはAutoclaved Lightweight Concrete(高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート)の略です。
珪石、セメント、生石灰、発泡剤としてアルミ粉末を主原料にしています。
ACLパネルには「厚型パネル」「薄型パネル」の2種類があり、厚型パネルは金網状の鉄筋が補強材として組み込まれており、主に鉄筋コンクリートの建物に使われます。
薄型パネルはスチール金網が補強材として組み込まれており、主に木造建築や鉄骨建築に使われています。
非常に厳しい品質管理のもとで生産されており、JIS認証を取得しています。
日本では「旭化成建材」「住友金属鉱山シポレックス」「クリオン」の3社でのみ製造されています。

アルミニウムや亜鉛のメッキを施した金属サイディング

ガルバリウム外壁

ガルバリウム外壁に使用されるガルバリウム鋼板は、鋼板(鉄板)の上にアルミニウムや亜鉛を主原料としたメッキを施したもので、金属サイディングに分類されます。
アルミニウムの特徴である耐食性、耐熱性、耐反射性、加工性を持ち、亜鉛の特徴である犠牲防食機能(表面に傷がついても亜鉛の化学反応により傷を保護する)により、いままでの鋼板と比べて耐久性が格段に上がり、様々な用途に使用されています。

左官職人が手作業で仕上げる

モルタル外壁

コンクリートと似ているため間違えられやすいのですが、モルタルはセメントもしくは石灰に砂を混ぜて水で練ったものです。
コンクリートは砂とセメント、砂利を混ぜて水で練ったものなので、構造が異なります。
モルタルは砂建物の外壁材としてだけでなく、レンガやブロックなどの目地、コンクリートの表面の仕上げ材としても使用されています。
どんな形状の場所でも適合することができるため、日本の住宅では昔から一般的な外壁材として使われてきました。
しかし、モルタル外壁は左官職人が手作業で行わなければいけないため手間と時間がかかり、近年の左官職人減少やサイディングなどの施工しやすい外壁材が人気になるに伴い施工数も減りつつあります。

新築の建物の約7割が窯業系サイディング外壁

サイディング外壁

サイディングとは、板状外壁材の総称です。
材質の違いによって「窯業系サイディング」「金属サイディング」「木質系・樹脂系サイディング」の3種類に分類されます。
一番よく使われているのが窯業系サイディングで、日本内での新築の建物の約7割が窯業系サイディング外壁を使用しているといわれています。
工場で成型されているため品質が均一で、大量生産できるので比較的安価なため外壁材の中で最も選ばれているのがサイディング外壁です