知っておきたい!外壁材と塗料には合う合わないがあった

外壁材と塗料には相性がある?!

外壁材の塗り替えを行うにあたり様々な塗料が使われますが、実は塗料のなかには、ある決まった外壁材との相性が悪いものがあります。
この相性を考えずに好きな塗料を塗ってしまうと、塗料が剥がれやすくなったり外壁材が持つ性能を殺してしまう恐れがあります。
自宅の外壁材を知り、その外壁材と相性の良い塗料を使うことで、より良い状態を長期間保つことができるようになります。

窯業系サイディングと弾性塗料は犬猿の仲!相性は×

最近の一般的な住宅の外壁に最もおおく取り入れられているのがサイディング外壁です。
そのなかでもセメント質と繊維質を主原料として成形した窯業系サイディングは施工が楽で工期が短く、柄や色などのバリエーションが豊富なため新築の家の10軒中7~8軒に取り入れられているほど人気がある外壁材です。

この窯業系サイディングは、断熱性や耐火性に優れていますが、太陽の熱などを外壁そのものに蓄熱する性質があります。
そのため、弾性塗料との相性が良くありません。弾性塗料はゴムのように弾力がある塗料のことで、モルタル外壁などのクラック(ヒビ割れ)が起きやすい外壁材に塗るとその弾力でクラックが入りにくくしてくれます。
しかし、この弾性塗料を窯業系サイディングに塗ってしまうと、外壁材に蓄熱された熱によって塗料が膨らんだり剥がれてしまうことがあるのです。

金属系サイディングには油性塗料がベストパートナー

ガルバリウム鋼板などで知られる金属系サイディングは、耐用年数が短いアクリル塗料以外はほとんど問題なく施工することができます。
ただし、ガルバリウム鋼板は錆び等に強い加工が施されているため、その防食力の高さが塗料の着きを悪くする傾向にあります。
しっかりと下地処理を行った上で上塗りをする必要がありますので注意が必要です。

また、金属製サイディングは金属でできているため、錆びたものが触れるともらい錆びをすることがあります。
ガルバリウムは通気性がとても大切な外壁材ですので、塗料にも通気性(透湿性)の高いものを選ぶのがおすすめです。

水性塗料はあまり相性がよくないため、油性塗料を選ぶようにしましょう。

モルタル外壁には弾性塗料が◎

モルタル外壁は砂とセメントと水が主原料の外壁材です。
モルタル外壁とひび割れはもはや必ず起こるとまでいえるほどお約束の関係です。
モルタルの材料の性質上どうしようもないもので、モルタル外壁に塗装する塗料はひび割れを防ぐというより、そのひび割れを表面化させないようにするためのものと考えてください。
表面にでてきたひび割れが髪の毛ほどの細さであれば問題ありませんが、それが太くなったり亀の甲羅のような状態に広がってしまうと外壁材そのものの劣化が考えられます。

モルタル外壁表面にある細いひび割れに雨水が入り込むことでひび割れが拡大してしまうため、弾性塗料のやわらかい特性が雨水を防ぎつつ、ひび割れに追随して抑えてくれる効果が期待できます。

ALC外壁には防水性の高い塗料が◎

ALC外壁は日本での正式名称を「軽量気泡コンクリート」といい、いわゆる軽石のようなものです。
鉄骨造の建物には芯に鉄筋が埋め込まれた厚手のALCが、木造の建物には芯に金網が埋め込まれた薄手のALCが使われます。

ALCは非常に吸水性が高い外壁材なので、きちんと防水性の高い塗料を塗っておかないと雨水などを過剰に吸水してしまい芯に使われている鉄筋や金網を腐食させてしまいます。
そのため、防水性の高い塗料、透湿性の高い塗料を塗ることが大切です。

また、ALCには表面に無数の気泡が開いているのですが、塗装の際はきちとこの穴を埋める処理をする必要があります。
ALCの塗装に慣れていない職人だと適当な下地処理のままで気泡の穴を埋めずに塗装してしまい、せっかく性能の良い塗料を塗っても意味がなくなってしまいます。
ALCの塗り替えの際は、ALCの塗り替えに慣れた職人がいる業者を選ぶことが重要となります。